メトロアドだからできる、キャラクタービジネス。ジャムム

ジャムム

東京メトロの車内ポスターに突如登場した、クマのようにも、犬のようにも見えるキャラクター『ジャムム』。
「お客さまに会社へ学校へと向かう満員電車にほほえみを」、「目的地への乗り継ぎ駅でかわいらしいなごみを」、「疲れて帰宅するあの人に、おつかれさまの癒やしを」、「みんなを愛して、みんなに愛されるキャラクターを」という想いから、メトロ アド エージェンシー(以下、メトロアド)の社内プロジェクトからスタートし、いまでは同社の新規ビジネスとして位置づけられている。
今回は、キャラクタービジネスとして『ジャムム』を担当する2人に、誕生経緯や今後の展望を聞いた。

井上

株式会社メトロアドエージェンシーコンテンツ

2016年 中途入社

栗原

株式会社メトロアドエージェンシーコンテンツ

2019年 中途入社

はじまりは「地下鉄車内に癒しを」という発想

井上:地下鉄車内の快適性については、東京メトロがハード面・ソフト面と様々な施策を打ち出し、改善に取り組んでいます。その課題に対し、私たちメトロアドも広告・コミュニケーションのプロとして、東京メトロをご利用になるお客様のために何かできないか、というのが『ジャムム』の始まりです。
実はこれまでにも、通勤・通学時のお客様に少しでも快適に過ごしてもらおうとポスターを制作し、車内に掲出していました。通勤時の簡単な運動法を紹介した「通勤ヘルスケア」や、江戸時代に使われていた言葉を面白く現代語で解説した「あなたも大江戸バイリンガル」など、何気なく乗車している車内で、少しでも役立つ情報をお伝えしていました。

栗原:ただ、それはどちらかというとビジネスパーソン向けのキャラクターや情報でしたよね。もちろん、東京メトロをご利用になるお客様の大半がビジネスパーソンであること、実際の広告でもビジネスパーソンをターゲットとしたものが多いことは、事実としてありますが。

井上:そうなんですよね。東京メトロをご利用になるお客様には、お子さんも学生もご年配の方もいらっしゃいます。そこで今回は、新たに“癒し”や“かわいさ”をお伝えして、子どもから大人まで皆様が楽しんでいただけるキャラクターとして『ジャムム』を誕生させました。

ビジネスへの転換は「お客様の声」から。

井上:『ジャムム』は、2018年2月に初めて車内ポスターにて掲出が開始されました。ポスター掲出直後から「満員電車で癒された」、「ちょっと落ち込んだ時にふと目に入って元気が出た」など、SNSでの反響が大きく、その中でも特に多かった声が「グッズ化をしてほしい。」でした。世の中の他のキャラクターと同様、いつかはグッズ化したいという想いはありましたが、こんなにも早く、こんなにも多くのお声をいただくとは全く想定もしていなかったので、正直戸惑いましたね。ただ、せっかくいただいたお客様からの貴重な声ですので、すぐにグッズ制作に取り掛かりました。

栗原:スムーズにグッズ制作が進行できたのは、「メトロアドオリジナルのキャラクター」だからですよね。よく間違えられてしまうのですが、『ジャムム』は「東京メトロのキャラクター」ではありません。有名なデザイナーや作家に依頼したものではなく、メトロアド社内のプロジェクトメンバーで作られたキャラクターです。

井上:このグッズ化を機に、当社内での位置づけも「キャラクタービジネス」として、新規事業チームを発足しました。プライズゲーム用のぬいぐるみをはじめ、子どもから若い女性をターゲットとした絵本や、GIFマガジン、LINEスタンプ、ビジネス利用できる付箋など。パスケースのように電車にちなんだグッズも展開しています。

栗原:あくまでもお客様の声を大切にした、“癒し”を与えつつも、使い勝手の良いグッズ展開を基本としています。グッズ化による収益も、新たなコンテンツ・グッズ開発に投資し、お客様に還元していくようなビジネス展開を目指しています。

開かれたキャラクタービジネス。

井上:グッズ化だけでなく、企業・団体様とのコラボレーションにも力を入れ始めています。ジャムがモチーフのため、最初にお声掛けいただいたのは、日本ジャム工業組合様でした。4月20日の「ジャムの日」に合わせ、渋谷マークシティの1Fのランタン型のショーケースでコラボレーション展開をしました。朝食の摂食率の低下という課題を一緒に解決していこうということで、“朝ごはんを食べよう!”というシンプルなコピーで訴求しました。

栗原:“食”に関するコラボレーションでいうと、水産庁「海の宝!水産女子元気プロジェクト」もありますね。近年、魚を食する機会が減っています。骨があるから子どもが嫌がるとか、家で魚を焼かない家庭が増えているなどが主な理由です。このような状況を打破すべく、水産女子たちと一緒に漁業・水産業界を盛り上げていこうというのが、今回のコラボレーションです。このような社会課題を解決していく取り組みは今後も増やしていきたいと思っています。

井上:一般的にキャラクタービジネスというと、投資して少しずつ認知を獲得して、人気になってビッグコンテンツになって初めて投資回収する、といったモデルが基本ですが、『ジャムム』はその逆かもしれません。テクノロジーの進歩の影響で世の中は急速に変化をしています。キャラクタービジネスもこれまで以上に高速にPDCAを回していかなければなりません。東京メトロをご利用になるお客様や企業様からの声をいかにスピーディーに具現化していくか。ある意味チャレンジなのかもしれませんが、『ジャムム』がなるべく多くの皆様の目に触れて、少しでも“癒し”を与えられる存在になれればと思っています。

栗原:もちろんキャラクターとしてのアイデンティティは守らないといけませんよね。コラボレーションでの取り組みはとても慎重に行っています。先ほどもありましたが、収益を上げることはお客様に還元するための手段であり、目的ではありません。『ジャムム』はメトロアドにとって我が子のような存在ですから、大事に育てていかないと。

東京から世界へ。

井上:昨年12月から広島テレビにて放送中の人気アニメ番組『おしゃべり唐あげ あげ太くん』に『ジャムム』が登場しています。これは、広島の魅力を東京の皆様に伝えることが目的です。『ジャムム』が各地に出向いて、その土地の良さを持ち帰ってきて東京の皆様に伝えていく、そのような役割を恒常的に担えると良いなと思います。

栗原:その逆もありますね。例えば航空会社のPeach Aviation(以下、ピーチ)とのタイアップでは、ピーチオリジナルジャムムである『ピーチジャムム』を製作。アジア路線に強いピーチに乗って『ジャムム』自身が東京の魅力発信していく企画を考えています。

井上:まだまだ未熟者のジャムムですが、1月には台湾「台北国際動漫節2020」で海外デビューしました。今後は首都東京のキャラクターとして地位を確立し、世界に旅立っていってほしいなと思っています。ちなみに『ジャムム』はドローンで移動します。ドローンのようなテクノロジーが人々の生活を豊かにするように、『ジャムム』も人々の心を豊かにできれば幸いです。