データで、広告を、ビジネスを、都市開発を変える。行動DNAアナライザー

行動DNAアナライザー

「行動DNAアナライザー」は、2021年9月にメトロアドエージェンシー(以下、メトロアド)がローンチしたばかりのサービスである。
東京メトロ圏内にいる人々の行動データを、スマートフォンアプリと連携させたWi-Fiログ、Beaconログ、GPSなどから取得。地上はもちろん電波の届きにくい地下空間にいる人々のデータまで補足可能である。人の属性だけでなく、商業施設を訪れる頻度、どんな志向で行動しているかまでを、PCなどのダッシュボード(さまざまなデータを視覚化して表示、分析するためのツール)上で確認、分析できる。
このサービスの開発を進めてきた岩﨑と塩見に話を聞いた。※社員情報は取材時(2021年10月現在)のものです。

岩﨑

株式会社メトロアドエージェンシーメディア

2010年 新卒入社

塩見

株式会社メトロアドエージェンシーメディア

2018年 新卒入社

東京都心エリアのマーケティング価値の高いデータを扱う。

岩﨑:行動DNAアナライザーは、2021年9月から社内運用を始めたばかりのサービスです。
分析できるのは、現状では東京メトロの駅、路線の利用者にとどまりますが、例えば「〇〇線××駅を使っている人は、どんな飲食店で、どんな服を買う傾向があるか」などを抽出、ダッシュボード上で確認、分析することが可能です。

塩見:間もなく、社外向けにもリリースされる予定です。
人の流れが見えることがこのサービスの特徴。そのため、リアル店舗や商業施設などを持つお客様であれば、今まで分析し切れなかった来客者・来場者の行動をとらえ、集客やPR施策を考えていくなどサービスの効果を実感していただけるでしょう。
私たちのお客様も沿線に不動産を持っていたり、地場でビジネスを展開する店舗や企業様が多い。そのため、まずは既存のお客様を中心にご提案していこうと思っています。私たちも価値提供しやすいですし、メトロアドの「街を活性化させていく」という事業目標にもつながるはずです。
ただ、このサービスは人に関するデータを扱う、汎用的に使えるものなので、幅広い業種のお客様にご利用いただけると思っています。

岩﨑:同様のサービスを展開している交通系広告会社もありますが、行動DNAアナライザーが対象とするのは「郊外から東京都心エリアに来る人たち」が中心です。
都内のオフィスで勤務している人たちの属性だったり、その人たちの東京メトロ圏内での週末の過ごし方だったり、そうしたコンパクトでも人が多く集まるフィールドのデータが見られる。それは他社のサービスとの違いですし、このサービスの強みだと思っています。

データ活用は自分たちの強みになりうる。

岩﨑:このサービスは2021年初期から構想を練り始めましたが、議論自体は以前からしてきました。
インターネット広告などROI(投資した費用に対してどの程度の利益が出たのか)が重視されるマーケティングが主流になる中で、性質上リアルタイムでの効果検証が難しい交通広告の価値をどのように示していくかは、私たちにとって重要な課題でした。
その一方、自分たちのビジネスの強み/弱みを検討した結果、データ活用が将来的に強みになるという結果が得られました。

塩見:ただ、データ活用のノウハウがないなどいろいろな課題があって、なかなか進められていませんでした。今回サービスインできたのは、タイミングが重なったのが大きいですね。

岩﨑:例えば、新規事業を生み出していくビジネス開発局に、データに強いメンバーがプロジェクトに参加したこと。
その人の知見を得ながら、我々統合メディア部を中心に営業担当、メディア担当で構成されたワーキンググループが協業しながら「どんな分析ができたらメディアプランニングに役立つか」「どういったデータがあれば価値提供できるか」などを検討できました。
また、データコンサルティング会社とタッグを組むことで、東京メトロ圏内にいる人のデータの活用、ツールを使った分析、広告配信、さらには導いたターゲットへのマスメディアを使った広告提案など、サービスのイメージが具体的になりました。それで一気に開発が加速した感じです。

将来は、東京メトロを超えて、Tokyoを超えて。

岩﨑:今後は、オンラインまで対象を広げていこうと考えています。
東京メトロの駅、路線利用者だけでなく、広く首都圏で仕事をし、プライベートを過ごす人たちの状態、行動をWeb上のデータから把握。サイト閲覧やネットショッピングの様子などを現在取得できているオフライン情報に紐づけて、分析精度を上げていくイメージです。
将来的には、東京メトロ以外の鉄道会社を含む、大型商業施設や不動産を持つ企業への展開も考えています。エリアも、東京だけでなく関東、東日本、全国へと広げていきたいですね。

塩見:何と言っても東京は日本No.1の都市です。その中核である東京メトロ圏内で得たデータと分析ノウハウは、ほかの地域でも十分に活用できると考えています。

岩﨑:現状、行動DNAアナライザーは、主に交通広告の提案を強化していくために活用されています。駅、路線利用者の属性や行動データというファクトから、提案の根拠を導くといった使い方ですね。
今まで交通広告でできなかった計測が可能になるため、広告・販促施策をデータドリブンで強化、属人的な「妄想ターゲティング」から脱却できます。交通広告の価値を再定義する、そのインパクトは大きいでしょう。

地域活性化や都市開発の姿が変わっていくかもしれない。

岩﨑:しかし、この行動DNAアナライザーは、単に広告提案を強化するためのものではありません。その本質は、「高い精度で人の動きをとらえ、人を動かすための分析兼プランニングツール」ということにあります。
例えばこのサービスによって、人通りは多くないのに、人の動きについてデータが取りやすいといった場所が見つかれば、今まで人通りの多さでランク分けされてきた広告媒体の考え方が根本から変わります。
交通事業者などが、施設誘致・新規事業計画に活用することも可能でしょう。地域活性化や都市開発の姿が変わっていくかもしれません。
私たちにとっても、行動DNAアナライザーは大きな意味を持つと思います。
私たちは事業価値として「TOKYOを最も熟知する企業として継続的にお客様の課題解決を行うコミュニケーションパートナー」と謳っています。
行動などファクトに紐づいた分析を行い、最適なコミュニケーションプランを提案、その結果について改善策をお客様と模索していくことで、はじめてビジネスパートナーとなり得るはず。
行動DNAアナライザーは、私たちがお客様の真のパートナーへと変わる、そのきっかけとなるサービスだと考えています。

塩見:これは個人的な思いなのですが、私はデータを大事にしつつ、人の行動と感情を結び付けたい。
行動と感情が相反することってあると思うんです。だから行動データに一人ひとりの気持ちや社会、世間の雰囲気、空気感などをきめ細かく読み取っていきたいと思います。
そして、それは広告会社が得意としてきたコミュニケーションやクリエイティブの領域。今まで私たちが培ったものが、十分に活かせると考えています。

岩﨑:部署としても社としても、行動DNAアナライザーだけでなくさまざまな新しいサービスを展開しようとしています。
「メトロアドのリソースを使ってこんなことがしたい」「メトロアドではこういうサービスが展開できるのでは?」など、いろいろな意思を持った方と一緒に仕事ができたらなと思います。当社には、その意思を実現できるポテンシャルも、チャレンジする土壌もあると思っています。