STORY 01
125余年の歴史を90秒に。
東武鉄道初のアニメーション企業CMプロジェクト
OUTLINE
東武鉄道さまから企業認知の拡大を目的にCM制作の相談をいただいたところから始まった本プロジェクト。
北千住~久喜間での営業を開始した1899年から、日光への観光路線開拓、スカイツリー®建設や新型特急スペーシア Xの運行開始など、沿線の暮らしをより豊かにしていくため、沿線の方々と共に作り上げてきたこれまでの歴史と、次の時代へ挑むメッセージを表現した東武鉄道としては初めてのアニメーションCMの制作に携わった。
明治時代まで遡る歴史の正確さを追い求める課題は、細かな検証によってクリアした。時代の変遷を分かりやすく伝えるため、時代ごとに画のタッチを変える表現のアイデアで応えた。
クライアントとこまめなやり取りがプロジェクトを動かす力となり、長期プロジェクトをやり遂げたアカウントプロデューサーの浅野に話を聞いた。
アカウントプロデューサー:浅野 楓芽
クリエイティブ:福田 隆、山本 智子
PROJECT STORY 01
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浅野
営業4部
2021年 新卒入社
「企業CMを作りたい」その熱意から始まった
特に若年層における企業認知度に課題感をもって、長年にわたり企業ブランディングに繋がる施策を数多く行ってきた東武鉄道さま。中でも、様々展開している事業に対する理解が不足しているという感触がありました。この課題意識の背景にあったのが、2023年7月より運行を開始した東武特急「スペーシア X」のプロモーションに際してでした。観光特急として今後全国へのプロモーションも見据える中で、その前段階として、そもそも「東武鉄道とはどういった会社で何をしているのか」という企業認知を広げる必要がありました。
こうした背景もあり、「企業CMを作りたい」という要望が東武鉄道さまの中に存在しており、ある日、その熱意をぶつけていただいたことをきっかけに、本プロジェクトが立ち上がりました。
私たちメトロアドとしても、その大きな期待に応えるため、熱意と覚悟を持って、制作をスタートしました。
緻密な時代考証による歴史的整合性
東武鉄道さまは関東の私鉄で最も古い歴史を持ち、明治時代の開業からこれまで発展を続けてこられたことを踏まえ、「時代の移り変わりとともに、その時代を生きる方々へ常に新しい景色を届けてきた」というメッセージをCMで伝えていきたいと考えました。そのためには、モノクロ写真しかない時代の様子も描きたかったため、アニメーション表現を採用したCMを企画しました。
企業CMとして自社の歴史を世の中へ発信するものであり、当然歴史的な正確性を期す必要があったため、東武博物館さまにもご協力をいただき、年誌などの貴重な資料をお借りして緻密な時代考証を行いました。アニメーションで描く、当時の電線の有無、車両の編成、線路の数、グループ会社の施設のロゴマークなど、一つひとつの要素について、クライアントと一緒に歴史的整合性を細部にわたり確認をしながら制作を進めていきました。
また、アニメーションは制作が進行すると立ち戻ることが難しいため、「どの段階でどこまで精緻に確認するか」というプロセス設計には特に気を配り、責任感をもって再現していくことが、このプロジェクト最大の挑戦となりました。
より魅力的に、より伝わるように、より目を惹けるように。
緻密な時代考証にあわせて並行して挑んだのは、その重厚な歴史をいかに視聴者に分かりやすく、魅力的に伝えるかというクリエイティブ表現の面でした。明治から続く東武鉄道さまの歴史を紹介していく中で、時代ごとにイラストの作画タッチを変えて制作していくという提案を行いました。それぞれの時代にあったアニメーションのタッチを模索し、イラストレーターの選定を行いました。この工夫により、見る方に時代の変遷がより直感的かつ視覚的に伝わるように意識しました。
また、CMの印象を大きく左右する楽曲の制作も、アニメ制作と同時並行で進めました。既存曲の利用には権利関係や使用範囲、使用期間の制限といった課題がありましたが、私たちは自由度が高く、よりメッセージが伝わる「書き下ろし楽曲」を選択することでこれをクリアし、長期的に企業CMとして活用できる体制を整えました。
映像と音楽のベストマッチを実現するため、さまざまなアーティスト候補を挙げ、クライアントと会議室にこもって聴き比べを行ったりもしました。細部にまで徹底的にこだわったこのクリエイティブの追求が、CMの完成度を想像以上に押し上げたと思います。
長期プロジェクトを推進したコミュニケーションの力
企業CMという性質上、制作にあたっては東武鉄道さまの「やりたいこと」を一番に考えるようにしていました。しかし、同時にそれを「実現できるもの」であり、「世に出て受け入れられるもの」へとどう両立させるか、そこがプロとしての腕の見せどころでした。どのシーンを採用し、どんな演出にするか、その調整には熟考を重ねました。
このデリケートな綱引きを乗り越えられたのは、東武鉄道さまの担当の方との距離の近さに尽きました。時には週に3〜4回、電話で「今から行かせてください」などと伝え、すぐに訪問して話すなど、密なやり取りを徹底。その結果、担当の方とも信頼関係を築き、プロジェクトは終始高い熱量で進んでいきました。
また、長期にわたるプロジェクトであり、協力会社含め社内外で関わる人が非常に多かったため、例えばクライアントから届いたうれしいコメントは、すぐに制作チームにそのまま伝えるように努めるなど、チームの気持ちが離れないよう、モチベーション維持は強く意識していました。
この密な連携と熱量の維持こそが、本CM制作プロジェクトを成功に導いた一つの要因だと思います。この経験は、クライアントの熱意に寄り添いチームの力を引き出すという、今後のプロジェクトにも活きる確かな自信となりました。
その「熱量」が、プロジェクトを動かす。
挑戦から生まれた成果と反響。
このプロジェクトを振り返り、担当の浅野は、「クライアントの熱意にまっすぐ応えるため、推進力を大切にして純粋な熱量を持って制作を進めたことが、最終的によいクリエイティブにつながった」と語ります。
何よりも嬉しかったのは、CMが公開された後の実際の反響。クライアント社内から「いいCMだね」という声が寄せられただけでなく、CMの動画をコメント可能な状態でYouTubeへ公開したところ、視聴者からもポジティブな声が多数寄せられた。
自分たちが作ったものを見て、広告って面白いんだと知ってもらえて、こういうものを自分で手掛けてみたいなという方が応募してくれるとうれしいですと締めくくった。