ワンダフルトレイン

子供たちのイラストと、両親の笑顔にあふれた
父の日イベント車両の運行を企画、実施。

アサヒ飲料の缶コーヒーブランド「ワンダ」。日本全国のがんばるお父さんを応援するブランドとして、著名人を起用したCMや、40~50代の男性をターゲットとした「ワンダ 極」シリーズの発売などを展開しています。
メトロアドエージェンシー(以下メトロアド)は、がんばるお父さんに対して感謝を伝えるキャンペーンとイベントを実施しました。その結果、ワンダにエモーショナルな付加価値をつけることに成功、また、キャンペーンが多くのメディアに取り上げられるなど、大きな話題を呼びました。

A.M. [2007年入社]
営業(アサヒ飲料担当)

E.K. [2003年入社]
営業(メトロ担当)

H.K. [1999年入社]
広告媒体調整

幻のホームへイベント車両を走らせる企画を提案。

アサヒ飲料のワンダは、コモディティ化が進む缶コーヒーというカテゴリーにあって、「朝専用」という独自のポジショニングで、販売台数を伸ばしてきました。しかし、近年は、缶コーヒー同士の競争に加えて、大手外食チェーンやコンビニが缶コーヒーよりも低価格なコーヒーを提供し、競争が激化。メインターゲットである男性・サラリーマンに、商品独自の価値だけでなく、エモーショナルな付加価値をどう感じてもらうかが大きな課題となっていました。
アサヒ飲料は、これまでプロモーションキャンペーンについて定期的なコンペを開催してきました。2015年12月に行われた缶コーヒーワンダブランドのコンペに、メトロアドは参加します。
ワンダのテーマは「がんばるお父さん」です。メトロアドは、「お父さんががんばるのは、家族のため、子供のため」と考え、そこから、「普段がんばるお父さんにありがとうを伝えられるキャンペーンとして、子供の絵で気持ちを伝える」という企画が生まれます。これを、広告会社、媒体社、ハウスエージェンシーの側面を持つという自分たちの強みを活かし、発展させた結果、次のような企画がまとまります。
①子供たちから、お父さんへの応援イラスト・メッセージを募集する。②イラスト・メッセージは、東京メトロの車両内へ掲出。③特別列車を走らせイベントを行い、普段は伝えにくい気持ちをがんばるお父さんに直接伝えられる空間をつくり出す。
提案の結果、翌2016年1月にメトロアドは見事案件を獲得します。子供のイラストを通じてワンダのコンセプトを表現できる点、また、広告出稿だけの企画よりも東京メトロとタイアップすることでメディアへの露出が高まり、話題になる点が高く評価されたのでした。

イベントの詳細決定から子供たちのイラストの受付までを担当。

イベントの実施は、「がんばるお父さん」というワンダのテーマを最も効果的にアピールできる父の日と決定。特別車両は、「メトロワンダフルトレイン」と命名され、プロジェクトが動き出します。まずは、タイアップ告知のためのポスターづくりです。広告ではなく、確実にイベント内容を伝える告知(案内)にしたため、通常業務とは違う表現にする必要があり、営業のA.M.は、制作部門と表現について頭をひねりました。
こうした広告媒体の調整業務に加え、イベント列車を運行するため、東京メトロ社内への調整業務も発生します。「様々な部署と多くの打ち合わせが必要でした」。その交渉に当たったのがE.K.です。どんな車両を走らせ、安全はどう確保するか――E.K.は、東京メトロと打ち合わせ、こうした課題を一つひとつクリアしていきました。また、話し合いの結果、新橋駅にある今は使われていない「幻のホーム」が使用できることになり、よりスペシャル感を演出できるようになりました。
また、イラスト・メッセージの掲出指示書は、H.K.が作成しました。「取り付ける場所がたくさんあるので、作業指示書が必要となるんです。作業内容を確認し、その指示書を作成するのが私の役割でした」。
2月に「メトロワンダフルトレイン」の運行が告知されると、ぞくぞくイラストが送られてきます。それを集計し、審査や当選者への連絡などの作業もメトロアドが担いました。E.K.は言います。「名前などは手書きのものから読み取るのですが、子供の絵で、クレヨンなどで書かれていますからね。読むのにすごく苦労したことを覚えています」。あまり同じ絵柄のものが並ばないようになども配慮しながら、クライアントのアサヒ飲料担当者と一緒に選んでいきました。

はにかむ子供の様子。お父さんの嬉しそうな顔。

同時に、当日のイベントの内容を詰めていきます。A.M.はパートナー企業であるイベント制作会社とともに、ワンダのコンセプトががんばるお父さんであることを伝えつつ、子供を飽きさせない内容とするため知恵を絞りました。走行中に、子供からお父さんへサプライズでプレゼントを手渡すのは?など、イベント制作会社が考える企画を、面白さはもちろん、安全性という東京メトロとしても、アサヒ飲料としても、絶対に譲れない基準に基づき、チェックしていきました。
「やっぱり、自分が描いたイラストをみたいじゃないですか?だから、子供が自分の描いたイラストが見られるようにこだわりました(A.M.)」。そのため、席は指定としましたが、家族の人数はまちまち。イラストの配置と席をきちんと連動させることにも悩んだと、A.M.は言います。E.K.の東京メトロとの交渉も続きます。A.M.らが考えた企画が、東京メトロの安全基準などをきちんとクリアしつつ、スペシャル感を演出できるか。車両基地や新橋駅で、どう人を配し、どのように進行していくか。「車両基地や新橋駅にも足を運び、現場でアドバイスをもらいながら細かい詰めを行っていきました」。
そして、当日。応募者の中から抽選で選ばれた親子200人が、出発地である上野の車両基地に集まりました。E.K.は会場にも顔を出し、住宅地である周辺に迷惑が掛かっていないかなどに注意しながら、イベントの進行を見守りました。
銀座線1000系を使用した特別列車「メトロワンダフルトレイン」が上野の車両基地を出発、日本で唯一の「地下鉄の踏切」を通過し、新橋駅幻のホームへ向けて進んでいきます。車両にはA.M.も乗り込みました。自分のイラストを見つけたときの子供の笑顔。東京メトロのキャラクターやお笑い芸人、大道芸パフォーマーの登場で湧き上がる歓声。サプライズ企画の力を借りてはにかみながら気持ちを伝える様子。そして、お父さんの嬉しそうな顔。「どれも忘れられないですね(A.M.)」。E.K.は、一足先に新橋駅へ移動し、幻のホームで「メトロワンダフルトレイン」を迎えています。

多くのメディアに取り上げられ、クライアントからは最大級の評価。

「「メトロワンダフルトレイン」は、当初の意図通り、民放テレビ局や新聞、そして、Webニュースにも取り上げられることになります。そして、アサヒ飲料からメトロアドは最大級の評価を受けます。「ワンダという商品で、ここまでコンセプトにマッチしたイベントは過去になかった。招待した家族の表情もよかったし、何より、メディアにも多く取り上げられ、世の中にワンダのコンセプトを浸透できた――そう言われました。うれしかったですね(A.M.)」。東京メトロからも「面白いイベントだった」と評価を受けたと言います。「当社としても、一般の方から応募を募って、地下鉄というメディアを活用するという実績ができました。苦労もしたけれど、多くの経験を得ることができました」。
E.K.は言います。「広告が絡んだ貸し切り車両というのは、とても実現性が低いんです。社内で関わる部署が多いし、車両運行や試運転の手配などもあり、東京メトロ内でも関わる人が多い。それを実現し、成功させることができたのは大きな財産です」。
H.K.も言います。「単なる広告目的で車内イベントをやりたいといっても安全を担保するのが難しいんです。駅などでは大丈夫でも、車両を使うとなると途端にルールが厳しくなります」。そんな中で、企画が実現できたのは、企画の力が大きかったのではとH.K.。「今回、貸し切り車両が実現したのは、東京メトロとして、家族をイベント車両や車両基地、幻のホームなどに招待する、旅客サービスの一環だったことが大きいと思います。子供という『将来のメトロファン』形成にもつながりますからね、クライアントだけでなく、東京メトロ側にもメリットが大きいわけです。そうした企画を立てることの重要性を、改めて感じましたね」。
広告会社、媒体社として、東京メトロという交通メディアに、キャンペーン、イベントを組み合わせ、クライアントの課題を解決。同時に、ハウスエージェンシーとして、東京メトロにもメリットを提供――「メトロワンダフルトレイン」は、メトロアドが、広告会社、媒体社、ハウスエージェンシーという3つの側面を持ち合わせていたからこそ実現できた案件でした。

ワンダフルトレイン

2016年6月6日(月)から6月19日(日)に掲出された、お父さん・お母さんへの感謝のイラストやメッセージと、同じく6月19日(日)に実施された、特別列車「ワンダフルトレイン」でのイベント風景を動画で紹介いたします。
特に、イベントにおいて、お子様たちがお父さん・お母さんへ、感謝の気持ちを伝える場を、どのように演出したか、に注目してご覧ください。

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